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帽子わたぼうしと卯月兎

不完全自動生成、CPUララバイ(子守唄)ノベルオリジナル。リラックス&ナンセンス。このブログに書いた後サイトにまとめています。

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物理法則

もやい綱をほどいてそのボートに乗ると、ボートは漕ぎ出す前に水面を滑り始めました。
「ちょっとこれ、何の動力なの」
「水の流れが思ったより早かったようです」とブルーラベンダーは青くなっています。
もうジェットコースターのような速度になっていました。
「これでは! パラソルも! 開けないわ!」風がびゅんびゅんうなって、叫ばないと自分の声も聞こえないのです。
「パラソルはあきらめて! それより滝に! 落ちそうです!」
そう言ったのが早かったかボートから投げ出されて水に沈むのが早かったか、わからないくらいでした。

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自分未踏地

「もう歩かない。ここにする。ここが南極」といったとたん川のほとりに出ました。かわせみがずっと向うで魚を捕っています。「あの木は何」
「雷に打たれて裂けたけど支障なし、かな」
さっきのとは違う、シフォンケーキの味と白パンの食感の果物で綿帽子はご満悦でした。皮はワインレッドで苺味で、中がパウダーベージュ色なのです。
「すぐ、お茶が入るよ」行楽用サモワールの蛇口をひねりながら露草色がいいます。

星霜

鬱蒼とした森なので、綿帽子が歩くとふわふわのオーガンジーがあちこち引っかかって裂けてしまうのです。綿帽子は枝を避けきることができませんでした。腕はショールで覆っても、膝と靴下の間が引っかき傷だらけです。ホライズンブルーは綿帽子が通りやすいように枝や潅木や草を除けてくれるのですが。
服のカギ裂きになったところは、すぐに雪の結晶のように素敵に綺麗で様様な模様のチュールレースになるので、前より素敵になるのでした。一番上のオーガンジーだけ木や草の色を映して緑色に染まってきて、メイクィーン(五月の女王)のようです。

味見

「小川の水がラムネ味だったりするかしら」綿帽子は食べたり飲んだりしに木星に来たんです。「でもそしたら、お茶が飲みたい時には味のしないお水を探すのね。お魚だって虫歯だらけになるわ」
「生水はダメだよ。サイダー味でもお腹を壊したら大変」

フルーツフルーツ

「おいしそうなら食べられるよ」と天色(あまいろ)はいいます。
「いいかげんな判定ね」と綿帽子は抗議しました。
「茸や虫は、おいしいかなちょっと危なそうかなって思うけど、果物ならおいしいに疑いないよ。毒見するね」
たしかにその果物は甘いわくわくするような香りで待ちかまえているのです。ライチのようなでこぼこした緑色の皮をむくと、ねっとりしたオレンジ色の果肉がでてきました。
「ほらすごく味が濃い。レモンより酸っぱくて洋梨より甘い刺激的な味」

探検ドレス

「そういえば、裏返したルームシューズと部屋着の水玉ワンピースで来たんだった」と綿帽子は思いました。「木星の人に会ってしまったら、地球の人はこんな格好でお出かけすると思うに違いない、でも、どれだけ歩いても誰にも会いそうにないけど」
と足元を見ると、先が細くなって少し反り返り、踵の履き込みは浅い、インド風のヌメ皮サンダルを履いていました。とても細かなビーズが散りばめてあります。服も、ウエストを光る青い絹のサシェで結んだ、ふわふわの白いドレスでした。袖のレースはとても薄くて腕が透けています。みぞおちのところには紋章型の重いブローチが留まっていました。盾を4つに分割した中に蛇と熊と狼と剣が描いてあります。

陽気な骸骨

「うっそうとした森ね。木しか見えないわ」
木星だけに。
「水の流れる音がする。どこかに小川があるんだわ。どっちから聞こえてくるのかがわからないわね。地球にだって森はあるんだから、そうよ、ここにだって森じゃないところもあるのかもしれない。樹海は木ばっかりじゃなくて、髑髏が落ちてたりするけど、そんな飾りはここにはないわ」
綿帽子は自分に向かって喋ってるみたいでした。虫の声にかき消されるし、ヘブンリーブルーはうっとりとそこらを眺めていて全然返事をしないのです。
「全く誰にも会わなかったらそれを幸せと断定せざるをえないって人なら、きっとここが気に入るでしょうね」

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