もやい綱をほどいてそのボートに乗ると、ボートは漕ぎ出す前に水面を滑り始めました。
「ちょっとこれ、何の動力なの」
「水の流れが思ったより早かったようです」とブルーラベンダーは青くなっています。
もうジェットコースターのような速度になっていました。
「これでは! パラソルも! 開けないわ!」風がびゅんびゅんうなって、叫ばないと自分の声も聞こえないのです。
「パラソルはあきらめて! それより滝に! 落ちそうです!」
そう言ったのが早かったかボートから投げ出されて水に沈むのが早かったか、わからないくらいでした。