「水とドレスとパニエが体にまとわりついて重たい。川底から引っぱられるみたい」でも次に気づくと頭が水面に出ていました。
「気を失うって憧れだったけど、こんなとこでなって欲しくないわ。それに気を失う直前までしか覚えてられないんだから、気を失ってもさっぱり面白くないのね」
なんだかさっきより体が軽いし、綿帽子はプールが大好きですから、岸まで泳ぐのはわけないです。渕は流れが遅いのです。
ごろごろした石に黒々と水をこぼしながらあがって見ると、綿帽子はピンク色ストライプのコルセットと白いレースのペチコートの水着を着ていました。薄くて水をそんなに含みません。「これって、いつの時代の流行の型なの。さっきのドレスより、ずっと露出が少ないわ」