「ウィルスは人為的に蒔くのよね。ワクチンとセットで」
「それはコンピューター限定です。ウイルスはものすごいスピードで分裂するので、突然変異だけで環境変化や敵に対処できるそうです。ひとりで増えていくんです」
「他人と協力して、人為で遺伝子を掛け合わす必要がない」
「人為を加えずに勝手に変化増殖しなければウイルスと呼べません」
「暑くなったらその環境に合ったウイルスが発生するのね」
「その環境にあった動物も、生殖で発生するよ。どっちも全滅とかしない」
「良くなるだろうね」
「良くなってもらわないとな」
「氷河期の反対の熱帯期を作る頃合だもんね」
「そう、海を広げて、高くて天国に近いところ、今森になってるとこまで動物を押し上げる」
「どこでも熱帯楽園フルーツが実るね」
「新しい種類の動物も育つ」
夏作りはきょうだい三人で初夏盛夏晩夏を担当していました。盛夏が一番エネルギーがいる上に嫌われるのです。押し付け合いではなくて、盛夏だけ三人とも入り、初夏と晩夏はひとりかふたりで作りました。
今年はひとり体を壊して転地していたので、盛夏も一人でした。
「温暖化を急ぎ過ぎたな」
落っこちて、カンガルーのポットに、入りました。
「こんなに鱗が詰まっていたら皮膚呼吸が難しい」そういうと、象嵌の六重塔のテントの中から顔を出しました。「夜は凍えるね。温かいお茶のうれしいこと」
懸命な皆さまはもうおわかりのように、靴をかたっぽ落としたとしても、両方落とすよりはましなのです。ハイヒールを片方落としたら、ちょっと歩きにくいでしょうね。
それによっぽどのことがなくても、靴を片方落とす人はいます。シンデレラとか。
向日葵を追って行くと中から髪が水色と紫の中間の色の男の子が現れました。
「この子を連れて行こう。もてあまされてそうだから、きっと騒ぎにならない」
その頃九次元では、木星がかんかん照りの道を急いでいた。汗はかかずに舌を出す犬のように、オーロラを出して体を冷やすのだ。
オレンジ色の西風(ゼフュロス)を探して、どうしても日付より前にお茶会の招待状を突きつけなくては。
「西から来るんだから西に住んでるんじゃないの」