その時のダダとガガ。
「本日は晴天なり」
「降ってきてるぞ。エイプリルフール?」
「だってマイクテストで『犬は成長しきると犬の思考を喋るようになります。人のことばを解するのではなくて、ちょうどオウムのように』とか言っていいのか?」
「ゴロゴロのままの苺が冷たい。本を読むと主人公や主要登場人物がみんな美しい容姿である形容がされてて不思議だった、あれは文字数を増やすためだったんですね」と綿帽子。
「何度も同じ目の色について語られたりとかね」鉄扇女。
「ケーキ用の苺は、固めで酸味強めの品種が合うんですって。これにはつぶして使うから固めでなくていいわね」と鉄扇女。
「ケーキが甘くて柔らかいからですね」と綿帽子。
「これもね、プレーンだと濃厚すぎなのよ。そこは改良中みたい」
チョコミントは水色に染めてなくて、チョコがやや混ざったベージュ色です。
「青色1号もクチナシ色素も味がするんですって」と鉄扇女。
「水色じゃないと違うものみたいです」と綿帽子。「見た目チョコチップマーブルアイスクリーム?」
「ううん、建具師が仕掛けの工夫好きでね。最初はわからなくて蹴り壊してしまったわ。組み立て直してもらったの。用途は配膳で、こちらから開かなくてさっぱり問題ないから」
「最初に卵の黄身に火を通すときにダマになるって気にしててね、作るときに見てるとわかるみたい。あの窓はこちらからは開かないのよ」
「忍者屋敷風窓ですね」
「鳶色ってどういう色だろうとか、巴旦杏の瞳とかなんのこっちゃらだったんです」
「二番煎じの決り文句でとうとうと百ページ語っても良いわよ」
「握り拳サイズの苺とかならそういう扱いを受けてもいいかしら」